あらすじ
――今日は一人だな……よし。
ある夜、馴染みのバーで酒を飲んでいた彼は、グラスをテーブルに置き、意を決して立ち上がった。柔らかな照明に照らされたカウンター席には、琥珀色の液体を静かに揺らす男が一人いた。彼はその隣に歩み寄り、声をかけた。
「こんばんは。隣、よろしいですか?」
「え、ああ、まあ……」
「ありがとうございます。今日はお一人なんですね」
「ああ、まあね……」
男は少し驚いたらしく間を置いたが、拒む気配はなかった。
軽い世間話から始まり、数杯の酒を交わすうちに男の表情は少しずつほぐれ、やがて自然な笑みがこぼれるようになった。
そろそろだな――彼は小さく息を吐くと、無意識に背筋を伸ばした。実は以前から、この男にどうしても訊いてみたいことがあったのだ。
「あの……」
「ん?」
「実は、このバーで何度かお見かけしていて……。いつも違う女性とご一緒ですよね。しかも、美女ばかり。どんなお仕事をされているんですか?」