あらすじ
永守重信物語 ―挑戦と執念のエンジン―
旋盤の火花が
夜明けの闇を裂いた
まだ若き手のひらに
油と夢が滲んでいた
「止まるな」
それが、彼の呼吸だった
眠る間も惜しんで
モーターの鼓動に魂を刻む
三人の同志と
裸電球の下で語り合う夜
「世界を動かすのは
人の手で作る小さな回転だ」
怒号は愛であり
叱咤は祈りだった
人を磨くために
言葉は火となった
異国の風に晒されても
信じたのは人の力
M&Aの嵐の中で
救ったのは、会社ではなく“心”
大学の教壇で語る声
「教育こそ、未来のモーターだ」
黒板の粉が光に舞う
その瞳は、若者の中に続いていた
息子たちよ、
挑戦は血よりも濃い
倒れてもいい、
立ち上がる姿が継承なのだ
そしていま
静かな書斎で筆を取る
墨の香りに混じるのは
遠い工場の鉄と汗の匂い
――経営とは、人を動かすこと
モーターが止まっても
魂は、止まらない