あらすじ
記憶の中に、優しい声はなかった。
あるのは、割れるような怒鳴り声と、胸の奥に焼き付いた恐怖の影。
――それが、花音(かのん)の幼少期だった。
愛されたいと願いながらも、
傷つく恋を繰り返して、自分の存在をすり減らしていく日々。
「必要とされたい」その一心で、間違った愛にすがってきた。
そんな彼女の前に現れたのが――蓮(れん)という男性。
まっすぐに彼女を見つめ、「もう無理しなくていい」と言った。
優しくされるほど怖くなる。
信じたいのに信じられない。
それでも彼は、花音から目をそらさなかった。
過去を告げる夜、花音は初めて“涙が痛くない”ことを知る。
そして、痛みの先にある“光”に手を伸ばす。
これは、愛を知らなかった一人の女性が、
「誰かに愛される」ことと「自分を許す」ことを知るまでの物語。