あらすじ
──虚空より還らぬ者(真実編)
虚空との対話を経て、健人は神の創造に潜む欠陥――
光が闇を拒む“静止の構造”を知った。
だが、その真理を現実として証明するものを、
彼はまだこの目で見ていなかった。
虚空因子の導きに従い、健人はダンジョン最深部の封印を解く。
そこに眠っていたのは、
かつて王国ラグナディアが行っていた召喚実験施設。
そこには、光の加護を維持するために
異界の勇者や魔族の魂を“供物”として捧げていた記録が残されていた。
勇者の死は栄誉とされ、
魔族の絶滅は正義として語られていた――すべて、神の名のもとに。
「これが“正義”の形か。笑わせんな……。」
その瞬間、健人の中で何かが壊れた。
修正のための器ではなく、破壊と再構築の意思を持つ存在として、
彼は完全に覚醒する。
そして崩壊する研究所の中、
虚空因子が未知の波長と共鳴する。
――それは、人ではない“何か”。
闇の奥から響く、かすかな声。
『……外の者よ、応答せよ。』
健人は笑みを浮かべた。
「ようやく来たか。――この腐った世界の、外側から。」
虚空より還らぬ者。
彼はもう、地上の“人間”ではなかった。
世界の外に立つ“再構築者”として、
新たな運命の扉を開こうとしていた。