あらすじ
『葬式が終わったら、離婚ですって? ― 介護妻の逆襲』
線香の煙が、まだ天井に残っているのに
あなたはもう、別の未来を口にした
冷めた茶碗、沈黙の食卓
わたしの手は、皺と火傷と疲労でできていた
それでも、あなたの親を看取った
泣く暇もなく、眠る暇もなく
「ありがとう」の一言を
夢の中でさえ、もらえなかった
けれど――
わたしの中で、何かが音を立てて割れた
それは絶望じゃない
静かな始まりの音だった
窓を開けると、春の風が吹いた
古い畳の匂い、遠くの電車の音
鏡の中の顔に、うっすらと光が射す
「あなたのために生きた日々を
今度は、わたしのために使う」
涙ではなく、微笑みで終わらせる
後悔ではなく、再生で始める
ぼろ雑巾みたいに捨てられた手が
いま、土を掴み、芽を植える
――“ざまぁ”という言葉は
ほんとうは“解放”の別名なのだ