あらすじ
2050年のある秋の日。
空から落ちた光のしずくを追って、
少年・そーたは丘の裏の森へ駆けだした。
そこで見つけたのは、丸い金属の球体。
——そして、中から現れた首の長い小さな生き物。
透き通るような肌、ビー玉のような瞳。
彼はその不思議な存在を「ピポこ」と名づけた。
言葉も通じないはずなのに、
ピポこは驚くほど人懐っこかった。
カレーを食べて「おいしい!」と笑い、
テレビを真似しては転げ回る。
そーたの家に泊まり、
夕暮れには二人でベランダから星を見上げた。
両親のいない静かな家に、ピポこの声が響くたび、
そーたの世界は少しずつ明るさを取り戻していく。
「そーた、すき。」
「ピポこも、すき。」
名前を覚え、言葉を覚え、心を覚えた——
その小さな宇宙からの来訪者との日々は、少年にとって、
かけがえのない“初めての友達”との時間だった。
だが、ピポこの中で少しずつ
「何か」が目を覚まし始めていた。
夜に響く金属音、知らない言葉、
そして——“K-56”という謎の番号。
それが、やがて世界を変える“前触れ”だと、
そーたはまだ知らなかった——。