あらすじ
かつて、俺はS級パーティー「神々の黄昏」のリーダーだった。
魔神を討伐し、王国を救い、英雄と呼ばれた。
だが、そんなものは過去の話だ。
今のダンジョン探索は、ただの“見世物(ショー)”。
配信映えする派手なスキル、ギルドの政治、くだらない足の引っ張り合い。
「――こんなものは、俺が命を懸けた“冒険”じゃない」
俺は全てに嫌気が差し、仲間たちに全てを譲って、円満にパーティーを抜けた。
もう都会はうんざりだ。俺は、誰にも知られていない辺境の村で、静かに余生を過ごすことに決めた。
――はずだった。
俺の元に、なぜか次々と才能に恵まれない“落ちこぼれ”の子供たちが集まってくる。
「石を投げることしかできない…」
「草を育てるだけのスキルです…」
仕方なく、俺は趣味の延長で、彼らに“本物”の戦い方を教え始めた。
石を投げるだけの少年には、物理法則の限界まで突き詰めた「投擲術」を。
草を育てるだけの少女には、戦場そのものを変える「戦術的園芸」を。
俺はただ、生き抜く術を教えただけだ。
それなのに――
『速報!謎の新人パーティー、S級ダンジョンを史上最速で踏破!』
『“投石の英雄”“戦場の創造神”…彼らを育てたのは、一体何者なんだ!?』
俺が育てた弟子たちが、いつの間にか世界を震撼させる英雄になっていた。
…頼むから、俺の静かなスローライフを邪魔しないでくれ。