あらすじ
いつからだろう。
何かに本気になれなくなったのは。
あの日グラウンドを離れてから、心のどこかが少しずつ欠けていった。
勉強も、運動も、ゲームも――全部「なんとなく」になっていく。
周りが前に進んでいく中、俺だけが止まっている気がしていた。
そんな俺にとって、いちばんの癒しはオンラインで繋がるフレンド〈Mist〉との時間だった。
顔も本名も知らない。その声だけが、現実から俺をそっと救い出してくれた。
――けれどある日、転校生・澄玲との出会いをきっかけに、止まっていた日常が動き出す。
幼なじみの陽菜。
隣の家に住む後輩の乃亜。
そして、出会ったばかりなのに不思議と気の合う澄玲。
すれ違い、笑い合い、ときに胸が痛くなる――。
そんな日々の中で、俺は忘れていた“夢中になる気持ち”を少しずつ取り戻していく。
これは、止まっていた青春をもう一度歩き出す少年の、
少し眩しくて、少し甘酸っぱい、再スタートの物語。