あらすじ
『お前の犠牲で存続する国なんて、滅びてしまえばいい』
――すべての伏線を回収し、二人の真実の結末が明らかになる
【あらすじ】※コンテスト応募のため、結末を含みます。
旅芸人の一団で踊り子として働くコウは、ある日、巡業に向かう途中に森で遭難してしまう。
そんななか、コウは地図に載っていない不思議な街にたどり着く。
そこは、模型のように美しい街だった。
コウの仲間は怪我を負っており、コウはこの街の長であるヒオを見つけ助けを求めるが、「街から出ていけ」と一蹴されてしまう。
仲間の容体は芳しくなく、すぐにこの街を出ることは難しい。
コウはこの屋敷に世話にならせてほしいとヒオに頭を下げ、問答の末、この街に滞在することを許された。
しかし、街には不可解な部分が多かった。
特にこの街の人々が食事をする姿を見たことが一度もない。
コウたちは、この街の人は食事で生命維持をしていないのでは……という仮説を立てる。
ヒオが栄養失調で倒れ、この街の人々は『嫉妬』を食べて生きていることをコウは知る。
そのうえ、この『嫉妬を食べる』体質は、この街の人々の体液を摂取することで後天的に感染してしまうものであり、この体質の人々は、この街から出ると体が消滅してしまうという。
ヒオはコウの感染を恐れ、コウが長期間この街に滞在することを許さないと言う。
コウは不慮の事故に遭い、意図せずしてこの街を離れることになってしまった。
時は経ち、苦心の末にコウはあの街――正確には国であるシドナへ戻った。
シドナの体質を改善する方法を見つけ出し、ヒオをあの土地から解放したい。
しかし、シドナを取り巻く実情は厳しいものだった。
フィネアという食糧難に悩む大国は、嫉妬からも食料からも生命維持が可能な人間を作り出すため、シドナの人々を研究材料として利用していた。
ヒオは長として、フィネアの軍事支配から数百年に渡ってシドナを守ってきたのだ。
コウが、フィネアの目指す『混在型』の体質であることが判明する。
コウはフィネアの研究を早期に終わらせる一助となり、長年シドナを守る役割を担ってきたヒオを解放するため、自らの体を研究材料として差し出すことを決める。
過酷な実験が続くなか、ヒオが蜂起を起こす。
「コウの犠牲で存続する国なんて、滅びてしまえばいい」
互いにとってなによりも優先したいのはヒオ・コウである、という想いが一致し、二人ははじめて体を重ねる。
その後、聞かされていたとおりコウはシドナの体質に感染してしまう。
しかし、この体質には『感染源になった人間が死ねば、感染させられた事実が無効になる』という制約があり、ヒオはコウのために自死を選ぶ。
シドナはコウがいた世界のパラレルワールドで、条件付きではあるものの、シドナで死んだ者はみな記憶を失い、そちら側の世界に転生する。
二人はフィネアでもシドナでもない場所で再び出会う。