あらすじ
魔法によって完璧な秩序が保たれる国家「サンクタム」。若き聖法書記官エリアンは、唯一の肉親である妹リーナと、清らかで穏やかな日々を送っていた。しかしその平穏は、人々が生きたまま石になる奇病「静寂病」によって無残に打ち砕かれる。聖法典のどんな奇跡も通じず、ついに最愛の妹までもが病に倒れた時、エリアンは絶望の底で禁断の記録を発見する。
――治療法はただ一つ。世界の対極、暴力と混沌が支配する無法地帯「スコージ」の覇者と魂を重ねること。
妹を救うため、エリアンは全てを捨てて禁忌の地へと足を踏み入れる。そこで彼を待っていたのは、圧倒的なカリスマと力で荒くれ者たちを束ねる若き覇者、カエルだった。
理想を語るエリアンを「甘え」と嘲笑し、力でねじ伏せようとするカエル。二人は最悪の出会いを果たすが、スコージもまた同じ病に蝕まれていることを知り、互いの目的のために不本意な共闘関係を結ぶことになる。
秩序と混沌。理想と現実。水と油のように反発し合う二人。しかし、過酷な旅路の中で互いの孤独と、守るべきもののために戦う魂の気高さに触れた時、彼らの心には敵意を超えた未知なる感情が芽生え始める。
これは、決して交わるはずのなかった二人の王が、世界の運命と自らの尊厳を賭け、魂で繋がり、愛を知る物語。
キスよりも焦れったく、セックスよりも官能的な「魂の交合」の果てに、彼らが見つける世界でただ一つの答えとは――。