あらすじ
この世界では、性は三つに分かたれる。支配者たるアルファ、それに庇護されるオメガ、そして大多数を占めるベータ。
誇り高き魔法使いユキは、オメガという性を隠し、ベータとして魔法学園の門をくぐった。誰にも見下されず、己の力だけで認められるために。
しかし彼の平穏は、一人の男との最悪の出会いによって打ち砕かれる。
学園の頂点に君臨する、傲慢不遜なアルファ――カイ・フォン・エーレンベルク。
反発しあう二人が模擬戦で激突したその瞬間、伝説の証『運命の印』が彼らの首筋に発現する。
それは、決して抗うことのできない魂の繋がり、『運命の番』の証だった。
「お前は俺の所有物だ」
傲慢に告げるカイと、それに激しく反発するユキ。
強制的にペアを組まされた学園対抗トーナメント『双星杯』を舞台に、二人の歯車は軋みを上げながらも回り出す。
孤独を隠す最強のアルファと、運命に抗う気高きオメガ。
これは、反発しあう二つの魂がやがて唯一無二のパートナーとなり、世界の理をも変える絆を結ぶまでの、愛と戦いの物語。
【登場人物紹介】
◆ユキ
銀髪に切れ長の瞳を持つ、本作の主人公。本来の性であるオメガを隠し、ベータとしてアウレリア魔法学園に通う。
繊細で精密な魔法コントロールを得意とし、努力を惜しまない実力者。オメガというだけでか弱く見られることを何よりも嫌い、自らの力で道を切り拓こうとする強い意志と誇りを持つ。カイとの出会いにより、その運命は大きく動き出す。
◆カイ・フォン・エーレンベルク
漆黒の髪に深紅の瞳を持つ、もう一人の主人公。エーレンベルク公爵家の次期当主であり、学園最強と謳われるエリートアルファ。
圧倒的な攻撃魔法の使い手で、その言動は常に傲慢で自信に満ちている。しかしその裏では、名家の嫡男としての重圧と、制御しきれない強大な力への恐怖、そして深い孤独を抱えている。ユキと『運命の番』になったことで、初めて他者と深く関わることになる。