あらすじ
◇主要人物
李飛龍(リー・フェイロン)
月性の青年。
かつては李家の次期当主であったが、無実の罪と汚名を着せられ、足の裏に月の烙印をつけられた。
正義感が強く、他人のために怒れる。
藍颯懍(ラン・ソンリェン)
陽性の青年。飛龍より二つ年下。
藍家の末子にして、当主を務める。
異国の血を引き、金の髪と青い瞳を持つ。
幼い頃より感情の起伏が希薄だったが、飛龍のために兄たちに力を振るうという一面を見せる。
実は寂しがり屋。
黎逸景(レイ・イージン)
陽性の青年。飛龍より一つ歳上。
黎家次男にして、鬼神と呼ばれる最強の武人。
気怠げな色気と、恐ろしい気迫を持つ。
口は悪いが本当に悪い奴ではない。
◇あらすじ(ネタバレあり)
月性(オメガ)の青年・李飛龍は、濡れ衣の罪を背負わされ、辺境の村で静かに暮らしていた。
彼の心は、壮絶な別れ方をした、藍颯懍への想いを抱えたまま、凍りついている。
ある夜、薬草を求めて山へ入った飛龍は、賊に襲われたところを一人の男に助けられる。
その人こそ、かつて将来を誓い合った陽性(アルファ)の颯懍だった。
互いの名を呼んだ瞬間、止まっていた時間が再び動き出す。
しかし、その再会は偶然ではなかった。
二人は、毒の宴、妓楼での事件、そして王家に隠された血の真実を巡る数々の陰謀に巻き込まれていくうちに、自分たちの出会いも、愛も、すべてが呪いの導きによるものだと知る。
それは全て、かつてこの国を治めた初代の王・凌風の怨念によるものだった。
凌風もまた、月性の身て陽性に愛され、愛と憎しみに引き裂かれて滅びた存在。その魂は今も国を呪い、月性と陽性の真の愛が生まれるたびに、同じ悲劇を繰り返させていたのだ。
飛龍こそが、凌風の血を引く者であり、この悲劇の中心にいる人間だった。
飛龍に宿る命運を知ってしまった幼馴染・黎逸景は、飛龍を救うため、あえて"悪"を演じていた。最愛の飛龍を裏切り、彼を玉座の間へと閉じ込め、彼の足に烙印を刻む。全て飛龍の命を守るため、呪いを断ち切るため、誰よりも深い罪と、耐え難い孤独を背負って。
その真実を知ったとき、飛龍の心は、憎しみと赦しの間で激しく引き裂かれる。
そして、呪いが最高潮に達する夜。
凌風の強大な怨念に身体を支配された飛龍は、愛する颯懍を自らの手で殺めてしまう。
激昂する飛龍。復讐しようと立ち上がった時、凌風の悲恋の相手である、藍泠が傍にいたことに気づく。
颯懍が死ぬ寸前、彼に身体を預けたのだ。
二人は拗れた思いに決着をつけ、無事魂が鎮んでいく。
呪いは去り、国を立て直すべく飛龍と颯懍は各地を回った。
国の外れにある小さな家を買い取り、ようやく二人は結ばれる。
そして再び戻ってきた飛龍は国主となり、平和を望む国を再建する。
二人は子にも恵まれ次も、またその次の時代へも二人の美談は受け継がれていった。
◇世界観
王政が終わり、各名家が土地を治める時代。
藍、黎、李からなる三華は、民に偽りの歴史を伝え独裁を続けていた。