あらすじ
S級パーティー「紅蓮の剣」の末席。
俺、水沢 徹(みずさわ とおる)の役職は、ただの“測量士”だった。
授かったF級スキル【測量】は、見たままの地形を地図に描くだけ。戦闘能力はゼロ。
「お前ののろまな地図作りは、俺たちのスピードについてこれない。足手まといなんだよ」
リーダーである勇者からそう言い渡され、俺は未踏破ダンジョンの中層で置き去りにされた。
絶望的な状況の中、俺は生き延びるために、自棄になってスキルを酷使する。
「せめて、自分の墓場の地図くらい、完璧に描いてやる…」
そして、俺は気づいた。俺のスキルが、ただの【測量】ではないことに。
集中力を極限まで高めた時、俺の描く地図には、ただの地形だけではない、ありえない“情報”が浮かび上がってきたのだ。
《壁の向こうに、隠し部屋。内部に“賢者の石”の鉱脈あり》
《この宝箱には“擬態型(ミミック)”の罠。開けると99%即死》
《スライムの死骸:ドロップアイテム“賢者の石の核(確率0.001%)”を内包》
――俺のスキルは、この世界のあらゆる“隠された真実”を描き出す、唯一無二の神の眼だった。
これは、無能と蔑まれた地図職人が、誰にも見えない「情報」を独占し、富を、名声を、そして世界そのものを支配していく物語。