あらすじ
プロローグ
― 月のしずくと封じられた記憶 ―
春の夜、静寂に沈む街の片隅。
小さな喫茶店「月のしずく」で、店主・月森鈴音は最後のカップを磨いていた。
その瞬間、店の片隅に置かれた銀の猫のペンダントが淡く光を放つ。
――気づけば、彼女の足元には白い花と金の砂が広がっていた。
現れたのは、宝石の首輪をつけた白猫。名をリュシエン。
「ここはニャルディア王国。君は“呼ばれた”のだ」
彼の言葉とともに、鈴音の胸に痛みが走る。
“あの子を……王子を、救って……”
耳の奥に響く声。忘れていた約束。
光と影、愛と裏切りが交錯する猫の王国で、
彼女の封じられた記憶が――いま、目を覚ます。