あらすじ
あらすじ
ある夜、肝試しという名目で友人の金村と綾城と車で山に入った火ノつるぎ。三人は白い化け物に遭遇し、綾城が取り憑かれてしまう。助けを求めに山小屋に向かったつるぎは再び白い化け物に遭遇し、斜面を滑り落ちて意識を失ってしまう。意識を取り戻したとき、つるぎは見知らぬ青年に介抱されていた。青年は名前を「かい」というらしい。礼を言ってその場を離れるつるぎ。車に戻ると金村がスマホで近くの寺を見つけており、そこに向かうことになる。
寺に行くと、住職に「何をした!」と叱られる。住職の言によると綾城が取り憑かれたのは「ヤマノケ」という怪異らしい。取り憑かれたまま四十九日経ってしまうと元には戻らないと言われる。住職の手でも助かるかはわからないという。絶望する二人。二人も一応のお祓いを受けて家に帰される。恐怖による疲れからかぐっすり眠るつるぎ。
翌々日、金村からの誘いで綾城の様子を見に寺に行くことになる。寺に行き、綾城を見舞う二人。つるぎはついでにかいさんにお礼を言いに行こうとする。車で山に赴き、山小屋に歩いて行くと、そこには白い着物の灰白色の髪をした美青年が立っていた。彼こそがかいさんだった。お礼を言うだけのつもりが、「うちに来ませんか」と誘ってしまう。そこから二人の共同生活が始まる。
かいさんといると不思議な安心感を得るつるぎ。かいさんの食器や衣服が家に居場所を作って行くことに幸福感を覚える。かいさんと一緒に食事をしたり、映画を見たり、髪を乾かしあったりと幸せな日々は続く。
しかしあるとき、かいさんと金村とつるぎの三人で寺に向かったとき、かいさんは降車を拒否した。そこで金村とつるぎは竹路という拝み屋と出会う。竹路は住職の倅だという。竹路によると綾城を助けるのは無理だという。その上つるぎに「魔に好かれている」といい穢れを落とす行為をしてくる。竹路はつるぎに「気をつけろ」と言い残す。そこでつるぎは気づいてしまう。かいさんのことを何も知らないこと。かいさんが怪しいことに。疑念を持ったまま三人で帰る。家に帰るとかいさんに「風呂に入れ」と言われる。言われるがままにシャワーを浴びる。出ると抱きしめられて「どこにも行かないで」と言われる。かいさんの匂いに安心し、疑念は消え去る。
かいさんと過ごす日々に幸せを感じているうち、綾城が取り憑かれてから四十九日目になった。かいさんと金村とつるぎで寺に赴く。そこでは祓いの儀式が行われているが祓える気配はない。そこでかいさんが「助けたい?」とつるぎに尋ねる。「助けたい」と答えるとかいさんはヤマノケの姿になって綾城の体からヤマノケを追い出した。しかしヤマノケの姿のかいさんを恐れてしまうつるぎ。かいさんは悲しそうな顔をして消えてしまう。
かいさんのいない日々を過ごすうち、かいさんのことが恋しいと思うつるぎ。かいさんを山に迎えに行く決意をする。
山に向かうとかいさんがいて、無事一緒に過ごせることになる。家に帰り、かいさんの腕の中で安心感に包まれ午睡をしながら、「もう離れられないな」と思うつるぎであった。