あらすじ

私は、世界に一つしかない能力「月視(げっし)」のせいで、冷たい塔に幽閉された「月の女神の愛し子」。 私の世界は、偽りの愛と裏切りに満ちていた。 外界と繋がる唯一の窓は、夜空に輝く「月」。私はこの月を通して、想い浮かべた人間の視界を覗き見ることができる。 ある日、絶望の淵で月を覗いた私は、自分と瓜二つの姿を持つ少女—美桜(みお)—の視界に辿り着く。そして、その傍らにいる心優しい青年、悠真(ゆうま)の存在を知る。 彼らが見せてくれるのは、私の知る醜い世界とはかけ離れた、光に満ちた愛の光景だった。美桜の視点から見る悠真の温かい眼差しは、まるで私自身に向けられているかのような錯覚を呼び起こす。それが美桜への愛だとわかっていながらも、「愛の真実」を知らない私にとって、その眼差しは初めての希望となる。 叶わないと知りながらも、私は会えるはずのない悠真に恋をしてしまう。 塔という名の「檻」に閉じ込められ、愛する人を見つめることしか許されない主人公セレネ。 しかし、危機が訪れるとき、セレネは初めて、この絶望的な「檻」を破り、愛のために行動を起こす決意をする――。 これは、異世界を隔てて始まった、あまりにも切ない運命の物語。

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小説を読もう2025/10/19
  • 現在の作品月視(げっし)の檻から、貴方を見つめることしかできない