あらすじ
雪に閉ざされた北方街道を進むのは、王女直属の騎士団副長セリーヌ・オーギュスト。彼女は、数多の女と領土を強奪する残虐非道の盗賊団「紅牙団」の頭領、ヴォルク・ガウルの捕縛任務を帯びていた。
高潔な騎士の誇り、王女への揺るぎない忠誠心――それら全てを携え、廃坑の拠点に潜入したセリーヌを待っていたのは、ヴォルクが仕掛けた周到な罠だった。
鉄の鎖と血の匂いに満ちた拷問室。そこでセリーヌは、獣王ヴォルクの手により、騎士としての誇りを削られ、一人の女へと堕とされていく。
だが、これは始まりに過ぎない。
紅牙団は、セリーヌをはじめとする屈服させた女たちと、奪い取った領土を糧に急速に勢力を拡大し、やがて一つの「国」を築き上げる。その覇道の陰には、高潔な者の血と涙、そして艶やかな支配の快楽が満ちていた。
これは、一人の騎士の「転落」から始まり、国を覆す「覇王」と、彼に征服された者たちの運命を描く、壮大なる群像劇である。