あらすじ
――あの日、世界の色が消えた。
17歳の少年・白瀬湊(しらせ みなと)は、夏の終わりに親友・黒川陸(くろかわ りく)を事故で失う。
しかし、葬儀の翌日、湊のスマホに届いた一通のメッセージがすべてを変える。
「湊。俺、生きてる。来て。あの“青の丘”で。」
半信半疑のまま向かった丘で、湊は現実ではありえない“もうひとつの世界”を目撃する。
そこでは死んだはずの陸が笑っていた。だがその笑顔の奥に、どこか別の“誰か”の影が宿っている。
その日から、湊の周囲で奇妙な現象が起こり始める。消える影。見知らぬ記憶。心の中に響く“青い声”。
幼なじみの桐島真白(きりしま ましろ)、不登校の天才少年篠原透(しのはら とおる)、そして“死者を見通す瞳”を持つ転校生・水城玲奈(みずき れいな)らと共に、湊は現実と異界の狭間をめぐる“記憶の連鎖”に巻き込まれていく。
彼らが辿り着いた真実は、過去と未来をつなぐ「絆の試練」。
それは、愛する者を取り戻す代わりに、自分自身を失う選択だった。
友情とは何か。
希望とは、絶望の果てにも灯せるものか。
そして――「生きる」とは、誰かの記憶の中に残ることなのか。
消えゆく“青の世界”の中で、少年たちはそれぞれの祈りを選び取る。
これは、痛みを抱えながらも前に進もうとする少年たちの、再生と喪失の物語。