あらすじ

『プラトンとアスティール ―饗宴(シンポシオン)―』

――詩――

杯の中で月が揺れる
葡萄酒の香り 遠い記憶のように甘く
哲学者の眼差しは 星を数えながら
一つの魂を探していた

言葉は論理の鎖
理性は壁
けれど その踊り子の指先が
粘土を撫でるたび
世界が息をした

「美とは何か」
「愛とはどこへ還るのか」
問いと答えのあわいに
肌の熱と呼吸が溶けてゆく

風が石畳を撫で
ランプの炎が 影を二つ重ねる
その一瞬こそが――
プラトンの描いた“イデア”

アスティールは微笑んで
唇で哲学を封じた
「真理は語るものじゃない
 見つめ合ううちに、もうそこにあるの」

夜が明ける
白いアテナイの空に 星がひとつ流れる
それは 踊り子の魂
それは 師の未完の思想

――理性が眠り
 愛が語りはじめるとき
 哲学は 歌になる。

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アルファポリス
アルファポリス2025/10/19
  • 現在の作品『プラトンとアスティール ―饗宴(シンポシオン)―』