あらすじ
「役立たずめ…!王女という身分に生まれておきながら、こんなスキルなど!」
アルカディア王宮、謁見ノ間。
第二王女、フィーネリアは、役立たずスキルと父である国王に言われ、今まさに追放を受けた。
王女であるフィーネリアはまず王位継承権を持たない。そして、側妃の娘であり第一王女でもないフィーネリアは、今の王族で最も立場の狭い人間だった。
「……御意。」
フィーネリアは俯いたまま、そう呟いた。
「離宮に戻り、荷物をまとめるように。それ以降、王族の名を名乗ることは許さん」
「…わかりました。お父__いえ、国王陛下」
「…ふん」
離宮に戻ったフィーネリアは、世話になった侍女たちに、お礼としてドレスや宝石、装飾品をプレゼントした。
フィーネリアは王宮を出た。母親__側妃リースネリアの形見の、母親の瞳の色である深い蒼色の宝石がはめ込まれたネックレスと、少しのお金、一番動きやすい服だけを持って。
ひとまず近い街で宿をとることにして、部屋に入り離宮に比べ黒ずんだベッドにダイブした瞬間、フィーネリアの記憶とは違う、誰かの記憶が流れ込んできた。フィーネリアはそれを全てはっきりと思い出せる状態で、確信した。
(私は、「前世」を持っているのね)
そして、ここが前世でやりこんでいたゲームの世界だと気付く。
自分は、主人公が魔王討伐する旅で、ヒロイン(かなりポヤポヤしている聖女)のツッコミ兼、魔術師として活躍する、リリィというキャラクターと容姿が同じことに気が付いた。
たしか、リリィは実は隣国の追放された王女だったと、後半で判明したはずだ。
つまり、フィーネリアは__
「自分の推しに、成り代わってる!!」
(リリィは、こんなにすごいスキルを隠していたのね。まぁ、私の転生特典なのかもしれないけれど。)
転生特典か、リリィが隠していただけなのかはわからないが、最強のチートスキルを持って転生した、少女の話が、今始まる。