あらすじ
廃部寸前の映画研究会が掲げたテーマは「夢で見た景色」。白い柵、青いベンチ、赤い自転車、そして潮の匂い――男主が何度も見る“岬”を、ゼロ予算で再現する無謀な企画だ。
軽口ばかりの宣伝係・政慶、段取り至上主義の杜、空気を和ませる璃音。三者三様の凸凹チームは、古い8mmフィルムや担任・都築先生の昔話から“風の通り道”の手がかりを拾い集めていく。見えてくるのは、先生が果たせなかった約束、忘れられない景色、そして風だけが覚えている記憶。
暴走宣伝で他クラブと衝突、資料の“露見”、作った青いベンチは本番前夜に折れ、追い詰められた彼らを追い打つように本番でまさかの停電――それでも彼らは止まらない。
「風は映らない。けれど心は、風が通ったことを覚えている」
即席の照明と白布、録りためた風鈴と波の音、ポケットにしまった古い手紙。思いがけないハプニングすら味方に変え、舞台に“風の岬”が立ち上がる。
笑って、泣いて、また笑う。若さの不器用さも、仲間のすれ違いも、全部まとめて映画にしてしまう映研の四人。