あらすじ
勇者パーティーの一員として、俺はパーティーの盾役を務めていた。
しかし、俺の授かったスキルは【加重】――ただ、触れたモノの重さを少しだけ増すだけの、地味で役立たずなF級スキル。
「お前のせいで、いつもギリギリの戦いになるんだ!もうお前はクビだ!」
勇者からそう罵倒され、俺はパーティーから追放された。
唯一の生きる目的だった、病気の妹の薬代を稼ぐ当てもない。絶望の中、俺が辿り着いたのは、勝者だけが富と名声を得られる非情の舞台――「闘技島」。
どうせ死ぬなら、このハズレスキルでどこまでやれるか試してやろう。
俺は有り金をはたいて買った安物の鎧と大剣に、【加重】スキルをありったけ注ぎ込んだ。
すると――
俺の鎧は、竜のブレスさえ弾く“超重装甲”と化し、
俺の大剣は、全ての盾を粉砕する“超重質量兵器”へと変貌した。
相手が聖剣を振りかざせば、その剣に【加重】をかけて軌道を逸らし、懐に潜り込んで叩き潰す。
相手が魔法を詠唱すれば、足元の地面に【加重】をかけて動きを封じ、詠唱を中断させる。
これは、戦闘能力ゼロと蔑まれた男が、ただ一つの地味なスキルを極限まで鍛え上げ、「戦術」と「物理法則」で全てを支配し、最強の剣闘士へと成り上がる物語。
設定
世界観: 闘技島(コロッセオ)がエンターテイメントと経済の中心となっている都市国家。闘士たちはランク分けされ、勝利することで莫大なファイトマネーと名声を得る。
主人公:リョータ
22歳。元勇者パーティーの盾役。口数は少ないが、冷静な分析眼と、逆境にも折れない強い心を持つ。妹を救うという確固たる目的がある。
スキル:【加重操作(グラビティ・コントロール)】
自己加重: 自身の武具の重さを増し、破壊力と防御力を爆発的に高める。
対象加重: 視認した相手の武具や身体の一部に【加重】をかけ、動きを鈍らせ、バランスを崩させる。
範囲加重(応用): 足元の地面や空間に【加重】をかけ、相手の行動を制限する。
仲間たち:
エリザ: 没落した貴族出身の女剣士。誇り高く、正統派の剣技を使うが、一対多の戦いで窮地に陥っていたところをリョータに助けられ、彼の戦術に惚れ込み相棒となる。
ミーシャ: 奴隷商から逃げ出してきた獣人の少女。治癒魔法の使い手で、パーティーの生命線を担う。