あらすじ
この短編集に集めているのは、ヒューマンドラマです……ただし、その話の登場人物の中に、生きている者ではないナニカが混ざることがある、というだけの。
日常生活の中で、人を呪うような人に遭う頻度ってどのくらいでしょうか。
霊を見ることのできる身近な人の話を聞いていて、幽霊というものは、人に害を為そうとしている者ばかりではなく、生きている時と同じようにただ行動している者も少なくないのだなと感じます。聞いた話の実例を挙げると、出来上がった学校でいまだに大工仕事をしている霊とか、後ろからつついて逃げるだけの子どもの霊、好みの女の子が来ているときだけその場所に顔を出す男の霊などなど。この世とあの世が交差する中には、恐怖とはちょっと位相がずれた物語がたくさんあって、私はその類の怪談話も大好きなんです。
先に挙げた例は(伝聞の)実話ですが、こちらに上げている作品は、全て創作となります。ある日突然、異界と接触してしまった人たちの想いを、丁寧に書いてみたいと思ったのです。
【2020.5.9】過去作品について、読みやすさのため空白行を追加。