あらすじ
某県のとある木造二階建てのアパートの一室にて、一人の女性がいた。
彼女はそのアパートの大家であり、現在“無職”である為、一切の収入が入って来ないことに悩むこと――半年。ついに貯金が底を尽きそうだと実感した彼女はこれからについて考えていた。
まだ若いとは言え、就職する時に面接官から『今まで何をしていましたか?』と訊かれれば答えにくい解答しかない。だからこそ、彼女はこれから本当にどうするか、切羽詰まっていたのだ。
だがその時、不意に、彼女のスマートフォンが鳴った。
友人でもなく、親しい者とは考えられないその電話を、彼女は取り、通話のアイコンをタッチして通話をした。しかしそこから聴こえてきた声とは――
『ワタシ、メリーサン』
都市伝説ではポピュラーである“メリーさん”から電話がかかって来たのだ。
無論、それを知っている彼女はその電話に怯える……ことをせずに、メリーさんに無理難題を言って電話を切らせた。
ただの悪戯電話だと思いった矢先、部屋のインターホンが鳴り、本当にメリーさんがやって来た。……彼女に頼まれた差し入れを持ってきて。
彼女は好奇心からメリーさんと話していくうちに、この世界には『都市伝説自体が歩き回っている』という情報を知る。それは彼ら都市伝説自身が生きる上では欠かせない“仕事”として活動しているのだ、と。
その為、日本の都市伝説では有名なモノ達は爆発的な知名度を誇っているがゆえに、大金持ちなのだと。
それを聞き逃さなかった彼女は、アパートの大家として――メリーさんにこのアパートに住んでくれと頼む。
無論、メリーさんも今まで住むところが無かった為、渡りに船だった。
そして契約は成立――メリーさんは彼女『大家』と呼ぶように言われた同居人と共に『桜ハイツ』というアパートに住むことにした。
そしてメリーさんが来てからと言うモノ、大家の身の回りには数々の都市伝説が現れるようになった。
だが流石は大家、そこは自分の収入の為にアパートの契約をし、収入を得ることに成功した。
そして彼女は、彼女達『都市伝説』達と共に、日々を過ごす――