あらすじ
大学で出会い、やがて離れたふたり。
記者と支援職員として再び交わる風の季節。
鴨川“ひより”を舞台に描く、
――静かな恋と、やさしい再会の物語。
--✦ 登場人物紹介
岡田 祐介(おかだ ゆうすけ)
22歳(物語開始時)/千葉県木更津市出身。
大学時代は社会学部に在籍し、穏やかな性格と観察眼を持つ。
趣味は写真と音楽(浜田省吾のファン)。
卒業後、地元の地方新聞社「東関東日報」に入社。
記者として福祉・防災・教育を中心に取材を続けるうち、
学生時代に出会った久美子の記憶と再会の意味を見つめ直していく。
> 「風は、過去じゃなく、いまを映すんです。」
小野 久美子(おの くみこ)
22歳(物語開始時)/千葉県鴨川市出身。
祐介と同じ大学・同じ社会学ゼミに所属していた同級生。
静かで聡明だが、感情を抑える癖があり、他人の痛みに敏感。
大学卒業後は地元・鴨川に戻り、児童支援センター職員として働く。
のちにカフェ「ひより」を開き、
地域の子どもや旅人、そして祐介の心を風のように包みこむ存在となる。
> 「風って、通り過ぎるだけじゃないの。
ちゃんと、何かを残していくのよ。」
陽太(ようた)
白子町の児童養護施設「あさひの家」で暮らす少年。
幼いころに祐介と久美子が出会い、
“風のノート”という詩のプロジェクトを通じて交流する。
物語の後半で、ふたりを再び結びつける“風の手紙”を送る。
> 「かぜが ぼくに こたえた。
だいじょうぶって いってた。」
☕ あらすじ
大学の春、
千葉の木更津に住む祐介は、
鴨川の海辺で出会った同級生・久美子と
同じ社会学ゼミで語り合うようになる。
ふたりを結んだのは、「風」と「海」と「手紙」――
そして、言葉にならなかった想いだった。
やがて久美子は家業を手伝うために大学を離れ、
祐介は卒業後、地元の新聞社に就職する。
取材の途中で再び鴨川を訪れた祐介は、
偶然、地域の児童支援センターで働く久美子と再会。
彼女が開いた小さなカフェ「ひより」を訪ねるうちに、
季節ごとに吹く風が、
ふたりの距離を少しずつ近づけていく。
白子町の児童たちが綴る“風のノート”、
久美子のもとに届く“潮風の手紙”、
祐介が撮る一枚の写真――。
それらが織りなす“風の記憶”が、
再びふたりの心を結びなおしていく。
> ――風が想い出になるころ、
君の笑顔が、もう一度帰ってきた。
🕊 キーワード
風/再会/大学の同級生/手紙/写真/房総半島/カフェ“ひより”/四季/記憶と赦し