あらすじ
色を失った世界で、声だけが俺を救った――。
フリーのイラストレーターとして生きていた白石蓮(23)は、病によって色覚を失う。
描くことも、生きることも諦めかけた彼を、再び現実へと引き戻したのは、
妹がすすめた一人のVtuber――“花音(かのん)”だった。
画面越しに響く明るい声、飾らない笑顔、そしてリスナーへのまっすぐな言葉。
彼女の存在は、灰色だった蓮の世界に“音の色”を取り戻していく。
だが、心を支えてくれた花音が突然の休止を告げたとき、
蓮は再び暗闇に立たされる。
――描くことは、もうできないのか。
――彼女に伝えたい「ありがとう」は、どうすれば届くのか。
失われた“色”と“心”を取り戻す、
ひとりの青年と、画面の向こうの少女の再生の物語。