あらすじ
代々、王国の北西部に広がる広大な未開拓地「嘆きの魔境」を管理するヴァレンシュタイン辺境伯家。
その嫡男であるアルベルトは、王立アカデミーを首席で卒業した、まさに完璧な貴公子。剣術、魔術、統率力の全てにおいて、同世代の追随を許さないエリート中のエリートである。
誰もが彼の輝かしい中央政界デビューを疑わなかったが、アルベルトは卒業と同時に、あっさりと王都に背を向けた。
「中央の椅子取りゲームに興味はない。私の仕事は、一族の悲願である魔境の開拓、ただそれだけだ」
物好き、変わり者――。
王都の貴族たちの囁きを背に、彼は故郷の最前線へと帰還する。