あらすじ
彩乃は黒い影を見た。希死念慮を持つ者だけに現れる、得体の知れない塊。親友の陽太は彼女を支えるため「自分にも見える」と嘘をついたが、彩乃は影に捕まり、自ら命を絶つ。表向きは自殺。陽太は死に近い彼女をそばに置くことで、自分の生を確かめていた。だが、彩乃の死後、彼の前に同じ黒い影が現れる。学校の屋上で、影は彩乃の姿で囁く。「ここではみんな一つになれるよ。」無数の亡魂が浮かぶ楽園の誘いに、陽太は屋上から飛び降りる。奇跡的に生き残った彼を、影はなお追い続ける。恐怖と罪悪感が交錯する、背筋が凍る物語。