あらすじ
人間と獣人が共に生きる世界。
けれど、そこにあるのは共存ではなく、静かな差別と境界。
辺境の地〈ルシュタルージュ領〉で暮らす人間の少年・ニフラは、
ある日、琥珀の瞳をした獣人の少年・レオンと出会う。
その笑顔に惹かれ、
触れた指先のぬくもりに、胸が焦がれた。
けれど、ふたりの関係は儚くも、残酷に終わりを告げる。
レオンの「使い」を名乗る男から手渡された一瓶の液体。
飲んだ瞬間、ニフラの世界は崩壊する。
目覚めたとき、彼はもう人間ではなかった。
檻、実験、そして屈辱。
理性を奪われ、身体を弄ばれ、
獣の声しか出せなくなった少年の心に、憎悪だけが残る。
──裏切ったのは、君なのか。
それとも、愛そのものだったのか。
数年後、崩壊した研究施設の中で、
彼を救い出したのは、他でもない“レオン”だった。
けれど彼は、かつての友ではなく――グランツ皇国第一王子としてそこにいた。
真実と赦し、憎しみと愛が交錯する。
泣かされ、鳴かされ、啼かされて、
それでもなお、彼の名を呼んでしまう。