あらすじ
屋良奏汰(やら かなた)、高校二年生。
父は病気療養中、母はパートで家を空けがち。
生活保護を受けながら、風呂なしアパートで暮らしている。
そんな彼のささやかな日課は、毎晩こっそり通う“激安銭湯”——昭和ぼんやり湯。
ある夜、そこで鉢合わせたのは、同じクラスの清見遼太郎(きよみ りょうたろう)。
銭湯の息子である彼に秘密を知られた奏汰は、慌てて口止めを頼む。
「……内緒にしてくれたら、僕、“うちごはん”のレシピ教えるから!」
貧乏ゆえに培った節約料理の知恵が、思いがけず清見家の食卓を支えることになる。
錆びた蛇口、裸電球の下で炊けるごはん。
放課後のキッチンには、湯気と笑い声が混ざっていった。
少し不器用で、どこか似たもの同士のふたり。
誰にも言えない秘密を抱えながら、
“うちごはん”を通して、心の距離をゆっくりと近づけていく。
——昭和の湯気の中で始まる、
貧乏高校生と銭湯の息子の、あったかくて切ない青春ごはんBL。