あらすじ
シリーズ【東京帝国女学院 四季の情話】四作目です。
昭和初期、戦時下の東京帝国女学院に通う文学少女・藤己澄子は、厳しい勤労奉仕の中でも、ひそかに勇太郎一等兵への想いを『冬のつとめ帖』に綴っていた。
寒さと物資不足が日常となる中、澄子を救ったのは、久しぶりに届いた勇太郎からの手紙。「馬の尻」をユーモラスに記す彼との再会は、凍える東京駅での短いひとときだった。彼は「笑っていてほしい」と告げ、再び戦地へ。
澄子は、手紙を読み返し、過ぎ去る季節を胸に刻む。やがて戦争が激化しても、彼女は信じる。「冬はつとめて。冷たい夜明けに光が生まれるように、人の世にも必ず春のあけぼのが来ると」。