あらすじ
『異能(いのう)』と呼ばれる超常的能力を持つ者が確認され始めてから、国内ではそれに起因する事件が増加の一途をたどっていた。
異能事件では、その能力の存在自体が科学的・法的に証明できず、既存の刑法体系では立件が困難とされた。
現行法の想定を超える現象であるため、従来の捜査手法や証拠能力の枠組みが適用できないのだ。
そのため政府は、国家治安上の緊急対策として『異能犯罪対策特別法』を制定。
警察庁内部に、法的根拠を非公開とした専従部署――公安部特別対策局・第25班〈対異能課〉を設立した。
25班では、異能犯罪の特性上、令状請求・逮捕許可・発砲制限などの通常の刑事手続きの一部が免除されている。
任務の最終判断は現場指揮官の裁量に委ねられ、異能者を「逮捕する」か「処分する」かを決定する権限を持つ。
その第25班を実質的に支えてきたのが――念動力(サイコキネシス)を有する異能者にして、公安部所属の警部補、九条 蓮(くじょう・れん)だった。
彼の能力と実績は警察内部でも伝説とされるが、その苛烈な気性と徹底した現実主義のせいで、補佐役は誰も長く務まらない。
歴代の班員は任期途中で異動、あるいは退職している。
そんな九条のもとに、ある日、新たに一人の女刑事が送り込まれた。
熱血すぎる捜査姿勢で警察庁から疎まれていた、警視庁刑事部出身の警部補――主人公の、神城 玲奈(かみしろ・れいな)。
彼女は異能を持たない、純然たる一般人だった。
情熱と正義感だけを武器に現場を渡ってきた玲奈は、皮肉にも、警察機構のなかで最も危険かつ“存在しない”部署に左遷されることになる。
異能者を“逮捕”するか、“処理”するか。
法か、正義か。
現実と理想の狭間で、二人の刑事の闘いが始まる。
破壊系上司×熱血部下が挑む、異能犯罪最前線。