あらすじ
「性別じゃなく、人として愛する。」その想いが、彼の人生を変えた。
30歳、ストレートなはずの僕が、彼に恋をした。
美大卒ながらサラリーマンとして燻っていた墨田聡介。人生の情熱を失いかけていた彼の前に、運命的な青年が現れる。それが、華奢な身体に似合わぬ中国武術の実力者、珠樹だった。
珠樹の瞳に、聡介は創作への「熾火」を再び灯す。しかし、それは同時に、自分自身のセクシュアリティを揺るがす横恋慕の始まりでもあった。
珠樹は彼氏がいると打ち明け、さらに「女性の肉体が嫌い」という深いトラウマを抱えている。そして、聡介もまた、抑えきれない恋心を「友達」という仮面の下に閉じ込めていく。
「性別じゃなく、人として愛する。」
アトリエで始まる珠樹をモデルとした創作は、二人の秘めた感情がぶつかり合う、幸せな時間となる。それは、自らの性別、過去の傷、そして社会の規範を超えて、一人の人間をありのままに受け入れようとするただ当たり前の愛の物語。
すれ違う二人と、絵筆が紡ぐ、切なくも静かなヒューマンドラマ。