あらすじ
見知らぬ異世界〈ソルラ〉で目を覚ました少女イーリスは、記憶を失っていた。
彼女を救ったのは、人の感情を“鈴の音”として読み取る能力を持つ青年・セラン。感情を言葉にできない彼は、イーリスの静かな鈴の音に耳を傾け、そっと寄り添う。
少しずつ惹かれ合う二人。しかし、セラン自身は過去の傷により、自らの鈴音を閉ざしていた。
やがてイーリスは、自分の記憶を取り戻すため〈記憶の泉〉へ向かう決意をする。けれど、そこに映し出されたのは、自分が元の世界に戻れる可能性と、セランとの別れの選択だった。
迷いと痛みの中で、セランの鈴音が再び響く。
それは長い沈黙の果てに生まれた、たった一つの恋の音。
異世界の静寂の中で、声ではなく音で心を交わすふたりの、
繊細でやさしい恋の物語──。