あらすじ

夜の海に糸を垂らす時間だけが、私の心が静まる瞬間だった。 26歳、営業職。喧騒や期待から逃げるように、私は今日も海へ出る。 静けさを破ったのは、なぜだか私に懐いている後輩――不器用で、まっすぐで、少しうるさい男。 ひとりが好きだったはずなのに、気づけばその声に、心地よさを覚えていた。 満月の夜、銀色の魚を釣り上げたとき、彼が言った。 「……月が、綺麗ですね」 静かな波の上で交わされたその言葉が、私の世界を少しだけ変えた。

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カクヨム
カクヨム2025/10/16
  • 現在の作品月夜の釣り船