あらすじ

様々な種族の獣人が共存して生活する、地球と似たとある星。大学生になった黒猫獣人の黒田春陽は、これからの新生活を憂いていた。馴染みの喫茶店でカッターの胸元を開け、コーヒーを飲んでいたところ、突如、小学校の頃の幼馴染である烏獣人・夕野紅葉が現れる。  それに喜ぶのも束の間、紅葉は、体毛が、同じ黒色であることを活かした二人の思い出の一発ギャグ「一体化」を披露。容赦なく引っ付いてくる紅葉に、春陽は、彼に対して抱いている感情が昔とは違うことに気が付く。抵抗虚しく、ドキドキし過ぎて意識が落ちてしまう春陽。彼は、恋愛感情による心拍数の高まりで一時的に意識が落ちてしまう、恋の病という病気に罹患していたのだった。  同じ大学の学生であることが判明した紅葉と春陽は同じ街での再会を喜び、順調に仲を深めていく。紅葉に心配をかけたくない春陽は、自分がかかった医者の息子であり、同じ八色大学の三毛猫獣人である夜間夏目の手を借り、なるべく多く紅葉と接触し、触れられても気絶せずに済むよう試みる。何度も意識を失いかけるも、回数を重ねるうちに耐性がつき、10分を超える素肌の接触にも耐えられるようになった。  そんなある時、夏目の提案で三者は隣町に開店したスーパー銭湯へ向かう。行きたかったけど猫獣人サークルのメンバーと都合が合わなかった夏目に連れられた春陽は、紅葉に全裸で接触されタジタジに。そこに現れたのは、直前に下着を購入したお店のアルバイターで紅葉と同じ鳥獣人サークルに所属するハクトウワシ獣人の、冬野囲炉裏だった。  思ったことをストレートに出力する囲炉裏に振り回されつつも四人は銭湯で仲を深め、いつしか四人でたむろするように。春陽も徐々に紅葉に耐性がつき、自分から接触を試みるなど変化があらわれはじめた。   その年の夏祭りで紅葉への告白を決意し、それが一ヶ月以内に迫るある日、四人は紅葉のアパートに集まっていた。  かつての紅葉の夢であった、獣人の全身の毛をカットし、オシャレにする職業であるトリミング師。かつてこんな風に切ってほしい、と要求を練りに練って1枚の紙にまとめ提出していた春陽は、大切なヒトの為にトリミング師を辞めたと言う紅葉に困惑する。  感情のままに怒りをぶつけた紅葉と春陽は、買い出しに出かけている夏目と囲炉裏を顧みず大喧嘩。互いに傷つけあってしまう。  仲が解消しないまま迎えた夏祭り、春陽は紅葉の笑顔を取り戻すべく、トリミングを受け、その日限りの着物を着て参戦。過去を懐かしみながら祭りを回るも、彼は完全には笑ってくれなかった。雨が降りしきる中、二人きりになり、自分の想いをぶつける春陽。  もう全てが終わるかとそう思った春陽だったが、紅葉は、春陽のことを邪な目で見ている自分がトリミング師になる訳には行かないと考え、トリミング師になることをやめていた。昔からずっと想い合っていた二人は、その時初めて、かつて共に過ごした街の花火を見る。  そして未来では、かつての約束の通りに、トリミングショップを構え春陽を迎える、紅葉の姿があった。

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カクヨム2025/10/16
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