あらすじ
妹に婚約者も居場所も奪われ、すべてを失った伯爵令嬢エリス。
愛していた人に裏切られ、家族にも背を向けられ、行き場をなくした彼女は涙の中でひとり立ち尽くすしかなかった――。
そんな絶望の果てで出会ったのは、冷徹と噂される若き宰相・セドリック。
「……君は、まだ終わっていない」
彼の差し伸べる手が、凍りついていた心を少しずつ溶かしていく。
最初はただの“顧問”として迎えられたはずが、彼と共に国政を支え、言葉を交わし、共に歩むうちに、二人の間には静かで確かな絆が芽生えていく。
やがてエリスは知る――自分が“誰かの影”ではなく、“自分の足”で未来を選べるのだと。
そして、彼の口から告げられた言葉は、かつての彼女では決して信じられなかったものだった。
「俺の隣で、生きてほしい」
過去の傷に向き合い、自分の価値を取り戻していく令嬢と、孤独な宰相が寄り添いながら歩む、心を癒す政略ロマンス。
涙の果てに見つけたのは、“愛される”ことではなく、“共に生きる”こと――。
失われた未来は、思いがけず優しいかたちで、ふたりのもとへと訪れる。