あらすじ
電子機器もまだ未発達な架空ヨーロッパ都市ヴァレンシア。
贋作、美術密輸、裏帳簿──腐敗した政財界の闇を暴くため、警察はひとりの男と取引をした。
アゼリオ・モルヴェーン。
変装と詐欺の天才でありながら、司法取引によって表に出された元犯罪者。
彼の監視兼パートナーに任命されたのは、冷静沈着な刑事ジェイド・クロウ。
真面目さと実務力ゆえに抜擢されたが、本人はこの人選に納得していない。
互いを信用せず、利害だけで組まされた水と油のバディ。
だが、初動の襲撃で思わぬ連携を見せたとき、捜査は転がり出す。
信頼も友情もまだ無い。ただ、必要なだけの協力関係。
静かな駆け引きと危うい呼吸が、闇の中で形を帯びていく──。