あらすじ
『コメ、コメ、コメコメコメ♪ ――よこせ♪』
「……ん?」
スーパーに向かって歩いていると、どこからともなく妙なリズムと歌声が聞こえてきた。最初は風の音かと思うほど遠くかすかだったが、次第にそれは近づき、はっきりした言葉に変わっていった。
『米よこせ♪』
「米よこせ!」「米よこせ!」「米よこせ!」
『物価が高いぞ♪』
「物価が高いぞ!」「物価が高いぞ!」「物価が高いぞ!」
『税金下げろ♪』
「税金下げろ!」「税金下げろ!」「税金下げろ!」
『現ナマよこせ♪』
「現ナマよこせ!」「現ナマよこせ!」「現ナマよこせ!」
歩き続けていると、歩調を揃えた一団と出くわした。
ははあ、なるほど。どうやらデモをやっているらしい。最初は何かのストリートパフォーマンスや、祭りの神輿かと思ったが、違った。プラカードを掲げ、リズムに合わせて主張にも満たない物乞いのようなフレーズを繰り返している。