あらすじ
影山雫(かげやま しずく)は、どこにでもいる地味な女子高生──のはずだった。
長い前髪と野暮ったいメガネで素顔を隠し、教室の隅で息を潜める彼女の正体は、政府にも登録されていない伝説の未登録S級(アンレジスター)ハンター『夜月(よづき)』。
亡き祖父が遺した天文学的な額の借金を返すため、そして何より、誰にも干渉されない「平穏な日常」を手に入れるため、彼女は今日も人知れず、その神速の抜刀術で怪物を屠る。
強すぎる力は、孤独の証。
そう信じ、心を閉ざしていた雫。しかし、ある雨の日、クラスの人気者である一条蓮(いちじょう れん)に傘を差し出した、ほんの些細な優しさから、二人の運命は静かに交差し始める。
「──なぜだろう。初めて見るはずなのに、あの小さな背中が、脳裏に焼き付いて離れない」
絶体絶命の危機に現れた、月下の剣士。
その横顔に、蓮はあの地味なクラスメイトの面影を重ねてしまう。
これは、最強の力を隠す孤独な少女が、大切な人たちと出会い、過去のトラウマを乗り越えて、本当の笑顔を取り戻すまでの物語。