あらすじ
白い光がカーテンを透かすたびに、同じ朝が訪れる。
ユイは六人の入院仲間と笑い合い、同じニュースを見て、同じ言葉を交わす。
けれどある日、一人が「退院する」と言い残して消えた。
ナースは言う——「その方は、はじめからいませんよ」。
霧の外はいつも白く、時計の針は朝を示したまま動かない。
やがてユイは、自分のカルテに記された名を見つける。
そこに記されていたのは、数年前の日付と「死亡」の二文字。
それでも朝は来る。
誰もいないはずの病室で、機械が“ピッ、ピッ、ピッ”と息をする。
——白い部屋で、何度も朝を迎える。