あらすじ
「アヴリル、僕はセリーナと恋に落ちてしまったんだ」
婚約者であるジェフリー王太子殿下から告げられた一言で、私と殿下の関係は呆気なく終わりを迎えた。
「僕にどちらか一人を選ぶなんてことは出来ない。僕を愛する者同士、仲良く出来るよね?」
そんな都合のいい話、聞けるはずがない。
怒りに任せて婚約を破棄した私に、父が持ち込んだのは──黒い噂が絶えない“子持ち貴族”との政略結婚だった。
二股王太子も最低だったけれど、新しい夫もまた、まるで氷のように冷たい人。
それでも、嫁ぎ先のクレヴァリー公爵家で、天使のような男の子・エイベルに出会えた。
「今日から私があなたのお母様になるの。よろしくね」
「おかあ、さま……?」
小さな手に私の手を重ねたあの瞬間、私は心に決めた。
たとえ形だけの妻でも、この子の母として生きていこう。
冷たく無愛想な夫ヘクターとの距離はなかなか縮まらないけれど、可愛い我が子の為なら頑張れるはず。
これは、裏切りから始まる“家族”の物語。
母として、妻として、一人の女として──必ず、幸せを掴んでみせます!