あらすじ
世界の果てには「風の止まない空」があるという。
そこに至れば、すべての言葉は意味を取り戻し、
失われた時も、影も、涙も――すべてが風に還るのだと。
少年リオは寄宿学校の火災の夜、
「誰も失いたくない」という祈りの代わりに、“風”を生んだ。
その風はフギンという鳥の姿をとり、リオの傍らに宿る。
だが、フギンはリオの“影”であり、“罪”であり、“もうひとつの心”だった。
言葉を失った国、風を閉じた塔、影を捨てた人々――
人が「痛みを封じる」ことで作った檻の世界でリオはフギンとともに、空を漂う風舟《アエリス》で世界を旅する。