あらすじ
霧の都オルドン。
王立裁定院の法務官エドガー・レイブンズは、静かな知性と沈着な判断力で知られていた。
ある日、彼のもとに舞い込んだのは――軍務卿ハートリー家の令息と、公女リリアン嬢の婚約破棄の裁定。
ただの貴族の揉め事のはずが、やがて王国の根幹を揺るがす“沈黙”へとつながっていく。
淡々と法を扱う青年法務官エドガー、
街の裏を知る調査官ルシアン、
影を生きる少年ピップ、
そして沈黙を守り続ける老公爵クロウリー。
それぞれの思惑と忠義が、霧に煙る街で交錯する。
これは、ひとつの婚約破棄から始まる、
沈黙の果ての物語。
法の名のもとに真実を葬り、ひとりの少女を救おうとした男たちの記録。