あらすじ
辺境の村で生まれた少女――リディア・ハーヴェンは、幼い頃から剣を握り続けてきた。
父はかつて王国騎士団に所属していた剣士で、リディアもまたその背中を追い、努力を重ねる日々を送っていた。
だが、どれほど練習しても、村の少年たちには「女のくせに」と笑われ、貴族の訓練場では「身分が低い」と門前払いされる。
真面目で、不器用で、誰よりも剣を愛しているのに、報われることのない毎日。
そんなある日、村を魔物の群れが襲う。
リディアは命がけで人々を守ろうとするが、圧倒的な力の前に倒れ、意識を失う。
目を覚ますと、そこは見知らぬ森の中。
傍らには、黒髪の青年が倒れていた。
青年――ノアは、王国の都で行方不明になっていた魔術師だと名乗る。
そして彼の腕には、封印の刻印が浮かんでいた。
リディアとノアは共に旅をすることになる。
滅びかけた古代王国の遺跡をめぐり、失われた魔法と剣技の秘密を追いながら、次第に心を通わせていく。
だが、彼らが知る真実は、この世界の秩序そのものを揺るがすものだった。
――かつて滅んだ「星の民」の再来。
――王国の裏で蠢く、血と契約の魔術。
――そして、ノアが抱える「もう一つの魂」の存在。
リディアは知らなかった。
彼と出会った瞬間から、自らの運命もまた、「選ばれし者」の軌跡に絡め取られていたことを。
真面目に生きてきた少女が、初めて「誰かに必要とされる」ために剣を振るう物語。
信念と恋が交錯する、運命の冒険譚――。