あらすじ
『灯をともす夜 ― 相模原の記憶 ―』
2016年の夏、静かな福祉施設で起きた惨劇――。
十九の命が奪われ、二十七人が傷を負ったあの夜を、私たちはどう語り継ぐのか。
『灯をともす夜 ― 相模原の記憶 ―』は、元職員・亜紀の視点から、事件の前夜、当夜、そしてその後の再生を描く全十話の群像劇である。
閉ざされた施設の内部、そこに暮らす人々の穏やかな日常。
しかし、かつての同僚が抱えた歪んだ理想と孤独が、静かな夜を永遠に変えてしまう。
優生思想、社会の無関心、そして「共に生きるとは何か」。
暗闇の中で失われた声と、なお生きようとする灯を見つめながら、
亜紀は人間の尊厳と希望のかたちを探し続ける。
夜が深くても、人は再び灯をともす。
これは“忘却”ではなく、“記憶する”ための物語――。