あらすじ
「神にも納税義務がある国で、鍛冶屋が“神剣”を差し押さえる――これは、帳簿の外にこぼれた奇跡の物語。」
王国では、神にも納税義務がある。
信仰が制度となり、神具は「資産」として差し押さえの対象になった。
鍛冶屋リオンは、財務庁の税務官マルツに命じられ、滞納神の神剣アスラリアの査定に同行する。
ところが、差し押さえの現場で“喋る剣”と出会ったことから、すべてが転がり始める。
神剣は抗議し、神官は嘆き、官僚は淡々と帳簿を埋めていく。
やがて「逆刃の神剣」は“謙遜の奇跡”として国中を騒がせることに――。
誤解が真実になり、皮肉が信仰に変わる。
これは、帳簿の外で笑う者たちの、静かな喜劇である。