あらすじ
「たとえ諸刃の剣であろうとも、我が身とともに迫りくる敵を斬りつけられるその刃を、ぼくらは何より欲したのだ。」
時は第二次世界大戦末期。圧倒的な物量差に直面した日本が最後に生み出したのが、ロケット推進戦闘機 菱星航空機 キ201【麁正(アラマサ)】 だった。
語り手である「ぼく」の心のすべては、圧倒的なカリスマを持つエース、カイトに向けられていた。命の最前線でこそ輝く彼は、この世のありとあらゆる兵器の中で最も美しい挙動を示す。
命を懸けた戦闘と、湖畔での静かな日常。生と死の狭間で交わされる二人の絆は、やがて避けられない結末へと向かう。