あらすじ

ペルシュは一人、林を歩いていた。 何も面白いことはない、見飽きた景色だ。生えている木も、積もった落ち葉も。 いつもの場所のいつもの丸太に腰掛ける。 「どこか知らない場所に行きたいなあ」 小さな空を見上げる。木の葉のさざめき以外、何も応えないーーはずだった。 「知らない場所って、どこに?」 後ろで声がした。 意地悪な子どもたちがからかいにきたのかと、目を吊り上げて振り返ると。見ない顔の少年が、ペルシュを通り過ぎて林の出口へ向かって行くところだった。 「待って! はじめて会うね。どこから来たの?」 「質問に答えないやつの質問には答えない」 会ったばかりなのに、ペルシュのことが嫌いなような目をしている。 どうしてだろう、とペルシュは考える。 「わかった、質問に答えるね。知らない場所っていうのはさ、つまり...冒険だよ」 「冒険?」 「この前、教わったんだ。冒険っていう言葉を。行ったことがない場所や、安全じゃない場所に出かけることだよ」 すると、 「ふうん...」 と、彼の表情が和らいだ。 同じ地区の意地悪な子どもたちのように、笑ったり、嫌なことを言ってこない。 ペルシュは嬉しくなった。 「ねえ、君も冒険がしたい?」

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カクヨム
カクヨム2025/11/02
  • 現在の作品セレニアの国の物語 第一章 アルソリオのトゥヴァリ