あらすじ
鏡郷市の駅裏に、時間の止まったような古書店「刻書堂」がある。
店主・御子柴篝(みこしば かがり)は、古書から街に刻まれた「過去の痕跡」を読み取る異能を持つ女性だ。
退屈な日常に焦燥を抱える高校生・高槻陸(たかつき りく)は、自室の時計が「未来の失敗の時刻」で止まるという奇妙な現象をきっかけに、その店を訪れる。
これは、日常の小さな後悔が、街の記憶と共鳴し、誰かの存在そのものを消し去ろうとする物語。
篝が提示する厳かな“対価”は――事件のすべてを詳細に記した「記憶の頁」。
やがて陸は、日常の裏側で繰り返される“街の記憶の歪み”を記す、刻書堂の数少ない常連となっていく。